近赤外線(NIR)と短波赤外線(SWIR)の特徴と使い分け

 

赤外照明は、可視光では認識することが出来ない特徴を検出するのに有効です。

赤外照明に使用している赤外線には、NIR(近赤外線)とSWIR(短波赤外線)があり、波長によって見える特徴が異なります

波長を選択的に使い分けることにより、様々な特徴を浮かび上がらせて可視化することが可能です。

 
 
title_特徴1 波長分布

 赤外線は、おおよそ700nmから1mmの波長帯の光であり、人間の視覚の上限と言われる760~830nmより長い光でほぼ知覚できません。

 画像処理で使用される波長帯は、近赤外線(NIR)と短波赤外線(SWIR)と呼ばれる波長帯が一般に使われます。

 カメラの受光素子により使用できる波長帯は異なっており、検出したい特徴に合わせた波長を設定し、カメラと照明を選定する必要があります。

 
 
title_近赤外線(NIR)の特徴

 NIR(近赤外)は750nm以上1000nm未満の波長域を指します。

 検査に邪魔なパッケージの印刷等を透過することが出来ます。

NIR特長  
 
title_短波赤外線(SWIR)の特徴

 SWIR(短波赤外)は1000nm以上2500nm未満の波長域を指します。

 パッケージの印字を消すことはもちろん、樹脂の透過が可能です。

SWIR特長  

 さらに水に吸収されるので水分の有無、表面の水の付着有無強調することが出来ます。

SWIR特長2  
 
title_液体(水分)の検出

 水は1450nmの光を吸収し黒く映るが、可視光や赤外850nmでは透過します。

水分検出  
 
title_樹脂の透過

 樹脂キャップは可視光や赤外850nmでは透過できないが、赤外1450nmの光ではキャップを透過してペン先の検査が可能です。

樹脂透過  

 様々なワークに対しての波長による違いがご確認できます。

 (使用波長:950nm、1050nm、1300nm、1450nm、1550nm、可視光)

 

 有色で不透光のPETボトル・シュリンクフィルムを透過して、内容量の検出やシュリンク位置の検査が可能です。

醤油ペットボトル透過検査  

 透過率の違いを利用して、色のよく似た異物の混入検査が可能です。

醤油ペットボトル透過検査  
 
title_有色液体の異物検査

 醤油のような有色液体(不透光)の場合可視光では透過できないが、赤外950nmの光では色素を透過して異物の検出が可能です。

樹脂透過  
 
title_状態変質の検出

 部分的に水分の浸透率が異なるような材質でも、光の吸収度合いにより検出が可能です。

樹脂透過  
 
title_ラインナップ

 弊社ではIR照明に使用する波長帯・出力により、いくつかのシリーズとして取りまとめております。

 
波長帯・特徴 シリーズ
掲載波長帯 780nm~950nm    赤外照明 Infraredシリーズ
掲載波長帯 780nm~950nm:高出力仕様 高出力赤外照明 Infrared2シリーズ
掲載波長帯 1200nm~1450nm 長波長赤外照明 Infrared3シリーズ
 

 シリーズページの掲載製品は一例になります。

 HP未掲載の製品も数多くありますので、表にない場合は是非お問い合わせください。

 
 

ご相談の際は、下記アンケートフォームやお問い合わせフォームをご活用ください。

 
 
アンケート